対戦車ミサイル対策
紛争開始当初から、重装甲車両を対戦車兵器から、特に、砲塔の屋根に当たる対戦車ミサイルからどう守るかという問題が深刻に立ちはだかった。対策として戦車に格子状の天蓋が取り付けられるようになった。天蓋の役割は、弾をこれで受け止め、爆発を装甲と接触する前に誘発することで、成形炸薬の噴流を噴射させ、破壊力のほぼ大半を失わせることにある。
加えて、ウクライナ紛争ではかつてないほど大量の無人機が使用されている。(現在、ウクライナ紛争は「世界初の本格的な無人機戦争」と呼ばれるほどだ)このため、ロシア軍は銃の周囲に金網のフェンスを張り巡らせて使用している。無人機は軽量なため、このような、一見、取るに足らない構造物でもその飛行を止めるには十分であることが多い。
遠隔操作ができる「コルネット」やAKアサルトライフル
7月、ロシアのテレビ報道では、致死的な携帯式対戦車ミサイル「コルネット」を改造し、発射台から最長50メートル離れた場所で遠隔操作できるようにすることで、敵の報復射撃があった場合のオペレーターの命のリスクを減らす試みが行われていると紹介された。
なんでもありの装軌車両
戦闘車両を職人技で改造すれば、高まるのは兵士の生存率だけではない。火力も向上することがよくある。兵士らは車両に追加の武器、装備、通信、監視装置を取り付けている。
時には、かなりエキゾチックなバリエーションにお目にかかることもある。例えば、ある時SNSで流布された写真の車両は、砲塔に25ミリ二連装艦載機関砲2M-3を搭載していた。
SNSで流布された写真の車両は、砲塔に25ミリ二連装艦載機関砲2M-3を搭載していた
© 写真 : Telegram / bmpd
偵察用途だけじゃないドローン
商業用コプターもまた、近代戦の現実に適応している。まず第一に、偵察、目標指定、砲撃補正のためだ。
ウクライナ軍には、空中のドローンを検知するだけでなく、操縦者の正確な座標を割り出す技術的手段がある。だが、ロシア軍はこれに対抗する手段を編み出した。ドローンのソフトを、しかも戦場で変更している。
さらに、双方ともいわゆる「投下」メソッドを使用している。これは、ドローンに改造を加え、手榴弾や地雷を空中に持ち上げさせることで、ドローン自体を軽量型の爆撃機に変えるやり方だ。
破損した機器は前線の近くで整備、修理される。ブレードなどのスペアパーツの一部は3Dプリンターで印刷されている。
前線で工業製品が不足していても、こうした自前の改造品は時にそれよりも優れていることさえある。
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