ピラミッドの基礎に使われている地元の石灰岩がいつ崩れてもおかしくない状態にあることが、ピラミッドの徹底的な調査を長い間、阻んできた。ところが2019年に行われた3Dスキャンを用いた調査で、その構造が把握できるようになった。
最近、考古学者たちはこれまで知られていなかった空間を発見し、明確にすることができた。保管庫はひどく損傷していたため、研究者たちはそれを支える新たな壁を作らざるをえなかった。研究者らはその空間の寸法から、サフラーの埋葬室の大きさを割り出した。埋葬室自体は残っていなかった。
ミッションの責任者は、保管庫の発見がサフラーのピラミッド内部構造を研究する上で重要な出来事になったと指摘した。サフラーのピラミッドの建設は、エジプトにおけるピラミッド建設の長い伝統の端緒を開いた。第5王朝のサフラー以降のファラオたちだけでなく、後の時代のファラオたちもサフラーのピラミッドを手本にしたからだ。
サフラーの治世は紀元前2487-2475年頃だったとされている。サフラーは伝統的な墓地であるギザではなく、ナイル川左岸のアブシールにピラミッドを建てた。サフラーのピラミッドは代々のファラオの物に比べると数分の1の大きさではあるものの、内部構造はより複雑になっている。
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