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AIがベスビオ火山の噴火でほぼ焼失した古代の巻物の内容を解読した

西暦79年、ベスビオ火山の噴火は、現在有名なポンペイだけでなく、もうひとつの古代ローマの都市ヘルクラネウムをも破壊した。ローマ都市は軽石と火山灰の層に埋もれ、何百もの古代の巻物が焼け落ちた。巻物に記された情報は永遠に失われたかに思われたが、それから約2000年後、研究者たちは人工知能の助けを借りて、焼け跡の巻物に記された最初の言葉を読み取ることに成功した。これについてイギリスのガーディアン紙が報じている。
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プログラム「ベスビオ・チャレンジ」

2023年3月、ケンタッキー大学のAI科学者であるブレント・シールズ教授と彼の仲間たちは、焼けた巻物の研究を加速させるために「ベスビオ・チャレンジ」プログラムを立ち上げた。解読可能な単語を探し出した参加者には賞金が与えられることになった。
この課題を達成するため、学者たちは巻物2冊とパピルス断片3点の3次元X線画像を何千枚も公開した。また、古代のインクがパピルスの構造に与えた微妙な変化に基づいて、巻物の文字を読むように訓練された人工知能プログラムも公開した。
ほぼ焼失した古代の巻物
現在、パリのフランス学士院に所蔵されているこの巻物は、元々は裕福なローマの役人(彼はおそらくユリウス・カエサルの義父とされている)、ルキウス・カルプルニウス・ピソン・カエソニヌスの別荘の図書館で発見された。

最初の成功

米国ネブラスカ州の学生、ルーク・ファリターとドイツ・ベルリンの学生ユセフ・ネーダーの2人がプログラムに参加し、検索プロセスを改良した。その結果、2人は巻物の1つで「紫」を意味する「πορφύραc(ポルフォロス)」という同じ古代ギリシャ語を偶然発見した。この単語を最初に見つけたファリターが4万ドル、ネーダーが1万ドルを獲得した。
「πορφύραc(ポルフォロス)」という古代ギリシャ語

「この単語は、この古代の巻物の謎に飛び込む第一歩です。ここから言葉を読み取ることは、我々にとって、月に足を踏み入れるようなものです」

ブレント・シールズ
ケンタッキー大学教授
今では巻物の全文を最初に解読する競争が始まっている。ナポリにあるフレデリック2世ナポリ大学のパピロス研究者、フェデリカ・ニコラルディ博士によれば、現在、巻物の3行ぶん、10文字までが読めるようになっており、将来的にはさらに多くの文字が読めるようになるという。
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