イスラエル・パレスチナの紛争激化

【視点】ガザ病院爆撃 日本の中東専門家「イスラム聖戦が病院空爆する動機ない」

パレスチナ・ガザ地区を実効支配するイスラム組織・ハマスは17日、ガザ市中心部の病院へのイスラエル軍の攻撃で、500人が死亡したと発表した。一方、イスラエルはハマス側の武装組織「イスラム聖戦」によるロケット弾発射の失敗が原因として関与を否定している。スプートニクは、地域情勢に詳しい現代イスラム研究センターの宮田律 (みやた・おさむ)理事長に話を聞いた。
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「イスラエルは『イスラム聖戦』がやったと言っていますが、『イスラム聖戦』がガザの病院を攻撃する動機はないですよね。あれほどの破壊力を持った爆弾とか、あるいはロケット弾とか、もちろん、ハマスや『イスラム聖戦』の場合にはありませんので、おそらくイスラエル軍の空爆だろうという印象を持ってます。いうまでもなく、あの病院を攻撃するというのは、戦争犯罪なわけですよね。だから、到底許容しがたいことだと日本人の私も思います。ですから、早く停戦にするべきであると。早く停戦になるように、日本など国際社会が一致して努力すべきだと考えます」

宮田律
現代イスラム研究センター理事長
病院爆撃を受けこれまでに日本の上川陽子外相は、「罪のない一般市民に多大な被害が発生し、強い憤りを覚える。いかなる理由でも正当化されない」とする談話を発表。全ての関係者に国際法を遵守するよう訴えた。
イスラエル・パレスチナの紛争激化
【視点】米国に打つ手なし 中東専門家、イスラエル・パレスチナ紛争を語る

イスラエル・パレスチナ紛争の激化

10月7日、ガザ地区を実効支配するイスラム組織・ハマスはイスラエル南部と中部に向けて突如ミサイル攻撃を行い、一部の地上部隊がイスラエル側に越境攻撃した。ハマスの奇襲攻撃を受け、イスラエル軍はガザ地区への空爆などの報復作戦を開始。第四次中東戦争以来50年ぶりとなる正式な「戦争状態」への移行を宣言した。
ハマスの奇襲後、イスラエル軍は30万人の予備役を動員。また、議会では与野党が戦時下での挙国一致内閣を樹立させた。米国からの弾薬支援も受けるなど、本格的な地上作戦を準備しているとされる。
イスラエルのガラント国防相はこれまでに「ハマスは地球上から一掃される」と徹底的な報復を予告。イスラエル外務省も「ガザ地区で戦略的目標をすべて達成するまで軍事作戦を継続する」と妥協を一切許さない強硬姿勢を示している。
ロシアは双方に即時停戦と交渉の再開を呼び掛けている。ウラジーミル・プーチン大統領はこれまでに、紛争を解決するためには、パレスチナの独立主権国家樹立に関する国連安全保障理事会の決定を履行する必要があるとの考えを示している。
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