ヘルツォグ大統領は英首相との会談後に開かれた共同記者会見で、BBCのハマスに関する報道は「事実の歪曲」にあたると発言した。大統領はハマスについて、「世界最悪のテロ組織」とし、BBCがハマスを「テロ組織」と呼ぶようになるにはさらにどれほどの悲劇を目にしなければならないのか、と怒りをあらわにした。
イスラエル大統領は現代の民主主義において政府がメディアの報道に必ずしも介入できるわけではないとしつつ、BBCは英国を代表し、さらには世界的に知られている以上、同社の報道方針に反対し、状況を正す必要があると指摘した。
これに対しスナク首相は事態をありのままに報じる必要性を認め、ハマスの攻撃を「邪悪なテロ組織による野蛮なテロ行為」と批判した。
先にBBCはハマスをテロリストと呼ぶことを拒否したとして激しい批判にさらされていた。英国のグラント・シャップス国防大臣なども同社を非難し、会社側の立場は「恥の境地と紙一重」と攻撃した。
先にBBCはハマスのメンバーを「テロリスト」と呼ぶことを拒否したとして、ロンドンにある英国放送協会BBC本社が赤いペンキで塗りつぶされる事件が起きていた。
イスラエル・パレスチナ紛争の激化
10月7日、ガザ地区を実効支配するイスラム組織・ハマスはイスラエル南部と中部に向けて突如ミサイル攻撃を行い、一部の地上部隊がイスラエル側に越境攻撃した。ハマスの奇襲攻撃を受け、イスラエル軍はガザ地区への空爆などの報復作戦を開始。第四次中東戦争以来50年ぶりとなる正式な「戦争状態」への移行を宣言した。
ハマスの奇襲後、イスラエル軍は30万人の予備役を動員。また、議会では与野党が戦時下での挙国一致内閣を樹立させた。米国からの弾薬支援も受けるなど、本格的な地上作戦を準備しているとされる。
イスラエルのガラント国防相はこれまでに「ハマスは地球上から一掃される」と徹底的な報復を予告。イスラエル外務省も「ガザ地区で戦略的目標をすべて達成するまで軍事作戦を継続する」と妥協を一切許さない強硬姿勢を示している。
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