今回の会談の焦点はイスラエル・パレスチナ紛争をめぐる中東情勢へのEUの対応となっている。記者からは中東情勢に関する質問が相次ぐなか、ボレル外相はウクライナに関する話題が全く出ないことを受け、自らそれに言及した。
「あとウクライナだ、ウクライナを忘れないでくれ。彼らは戦い続けている。この問題も、ナゴルノ・カラバフも引き続き議題となっている」
また、イスラエル情勢に関するEUの対応がダブルスタンダードではないかという質問に対しても、すかさずウクライナの話題を入れ込んだ。
「ウクライナ戦争とこの戦争は理由も結果も全然違うが、どちらからも攻撃の波が世界に広がっている」
さらにボレル外相は、ダブルスタンダードと批判されないためには「一人ひとりの民間人の犠牲者に対し同じレベルの懸念を表明しなくてはならない」とも加えた。
イスラエル・パレスチナ紛争の激化以降、欧米メディアはウクライナへの世界の関心や支援意欲の低下を指摘している。これにはウクライナが軍事支援でイスラエルと競争する立場になっていることに加え、反転攻勢が失敗するなかで米国をはじめ各国で支援疲れが表面化してきていることなどが背景にある。
関連ニュース