【解説】コソボに関する国連安保理会合はなぜ重要なのか?

10月23日に開催予定の国連安全保障理事会の会合では、コソボのセルビア系住民が多い地域での緊張の高まり、平和と暴力の問題が焦点となる見込み。コソボ北部バニスカ村で9月24日、所謂コソボ警察の警察官が死亡、セルビア人3人が殺害される衝撃的な事件が発生し、コソボで新たな紛争が勃発した。
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当事者間の意見の不一致

公開で開催される今回の会合には、セルビア代表としてアナ・ブルナビッチ首相が出席し、セルビア政府が考えるコソボ情勢沈静化への道筋を表明する見込み。
これに先立ち、国連のアントニオ・グテレス事務総長は会合のために準備した報告書の中で、国連安保理の主な優先事項はコソボの安定を維持し、コソボ北部の緊張を緩和することであり、安保理メンバーは欧州連合(EU)が仲介する対話を支持することでは一致しているが、コソボを承認してコソボ政府を支持する国々(米国、英国、フランス)と、コソボの独立を認めずセルビアの立場を強く支持する国々(ロシアと中国)があり、安保理常任理事国5か国の間には深い意見の不一致が存在していると指摘した。
会合に参加するその他のメンバーのうちコソボを承認しているのは7か国(アルバニア、ガボン、ガーナ、日本、マルタ、スイス、アラブ首長国連邦)で、承認していないのは3か国(ブラジル、エクアドル、モザンビーク)。
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グテレス氏は報告書の中で、国連安保理常任理事国は国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)の任務変更の問題に関しても意見が一致していないと指摘している。米国と英国はUNMIKの任務終了とコソボ情勢に関する会合の頻度を減らすよう求めたが、ロシアはこの考えに反対し、国連安保理の会合を公開で、そして定期的に開催することを支持しているという。
報告書には、セルビアのアレクサンダル・ブチッチ大統領および独立を宣言したコソボのアルビン・クルティ首相が関係正常化に関するEUの提案を受け入れた2023年2月から、EUのジョセップ・ボレル外務・安全保障政策上級代表が対話の停止について説明した今年9月までのコソボでの出来事が記されている。クルティ氏がこの2月の合意が実行される前にコソボを正式に承認するようセルビアに求めたため対話が停止したという。

バニスカ村で何が起こったのか

国連安保理会合では間違いなく9月24日未明にバニスカ村で起こった出来事が主な議題として取り上げられるだろう。その捜査は現在も続いている。
セルビア当局によると、セルビア人のグループとコソボのアルバニア人の警察が衝突し、地雷の爆発でコソボの警察官1人が死亡、セルビア人3人は降伏していたにもかかわらず至近距離で警察によって冷酷に殺害されたという。
また、プリシュティナはコソボのセルビア人をテロリストかつ事件の唯一の犯人として描こうとしており、バニスカ村での出来事にセルビアが関与した疑いがあるとして、セルビアに対する制裁の発動をEUに求めている。なお、ベオグラードは関与を繰り返し断固否定している。
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状況悪化の主な原因は、EUの仲介の下、2013年に合意に達したブリュッセル協定に規定されているセルビア人自治体共同体の形成をプリシュティナが10年間にわたって拒否し続けていることだ。
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