思いがけない発見
考古学者たちによると、この墓はおよそ紀元前3000年のものとみられている。スコットランド本土から北に15キロの沖合に位置するオークニー諸島は、ずいぶん前から考古学者たちの大きな注目を集めている。ここではこれまでに西欧で最も重要な記念碑的建造物や新石器時代の遺跡が見つかっている。
今回、新たに墓を発見したのは、ヒューゴ・アンダーソン・ワイマーク博士とヴィッキー・カミングス教授が率いるチーム。彼らは1896年の新聞から墓の場所を知った。その新聞には、農民の息子が地面を掘っていたら古代の壁の痕跡、石でつくられたメイスとボール、そして古代の人骨8体が見つかったという、ほんの数行の小さな記事が掲載されていた。そして1世紀以上が経ち、ようやくその場所で発掘調査が行われた。
墓には何が隠されていたのか?
発掘調査の結果、直径15メートル以上の墓が発見された。そこには7メートルの石の通路が続いていた。埋葬室からは男性、女性、子どもの人骨14体が見つかった。人骨はすべて1つの埋葬室で発見された (現時点で6つの部屋が見つかっている)。
学者たちは、墓はしばらくの間くり返し使用され、遺体は別の遺体の上に積み重ねられていたとの見方を示している。家族埋葬だった可能性があるという。
考古学者たちは、ユニークな工学的ソリューションを備えた墓の構造にも注目している。学者たちによると、墓の部屋は高さが増すにつれて狭くなるような構造で石が積まれていた。学者たちはこれを「真の工学的偉業」と指摘している。
墓の入り口は石の板で塞がれており、これは脇に移動することができたとみられている。学者たちは、そのメインの部屋で何らかの儀式が行われていた可能性もあるとしている。
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