中東情勢
地上作戦
イスラエル軍は26日、パレスチナ・ガザ地区北部で、戦車を投入した比較的大規模な地上作戦を行ったと発表した。攻撃は25~26日の夜にかけて、「テロリストのインフラやロケット弾の発射地点」などを標的に行ったとしている。また、軍はこれを「次の段階に向けた準備」だとして、今後の更なる大規模作戦の実施を示唆した。
安保理では米停戦案否決
一方、国連安保理ではイスラエル・パレスチナ情勢をめぐる会合が行われ、米国が提出した「一時停戦」案が露中の拒否権発動によって否決された。ロシアのネベンジャ国連大使は、米国の調停案には長期的な停戦が盛り込まれておらず、イスラエルによるガザ地区での地上作戦にお墨付きを与えることになると指摘した。
「米国の案は地上作戦に対する『安保理の許可』となり得る。パレスチナ人の子供たちが何千人も命を落とすことになる。安保理をそのような決議で拘束してはならない」
このあと、日本時間26日午後11時からは、国連総会でイスラエル・パレスチナ紛争に関する緊急特別会合が開かれる。停戦案が採決される見込みだが、成立しても法的拘束力はない。
ウクライナ情勢
支援の転売横行か
元ウクライナ国境警備隊員のルスラン・シロボイ氏は、スプートニクに対し、ウクライナに供給された支援物資の一部が転売されていると証言した。
人道支援物資や、そのなかに紛れ込んだ暗視装置や照準装置などの武器類などが、インターネットを通じてウクライナ国内やルーマニアなどの周辺諸国に渡っているという。特に銃火器類の売れ行きは好調だという。
闇サイトでは
実際にウクライナのダークネット上では、武器転売を斡旋する闇サイトも確認できる。そのなかには西側諸国が軍事支援として供与したとみられるC4(プラスチック)爆弾なども含まれている。
出品されているC4爆弾1セットの値段は日本円で1万2000円ほどだ。ウクライナ全土で匿名配達が可能だという。露国際兵器取引分析センターはこれまでに、ウクライナに供与された兵器の10~15パーセントが違法な密売で中東やアジア太平洋、アフリカに流出していると試算している。
ロシアでは新兵器
露国営軍産複合体ロステク社は26日、新型の152ミリ自走榴弾砲マルバを露軍に初めて引き渡したと明らかにした。射程は24キロ、1分あたり7発の発射が可能で、公道であれば給油なしで1100キロを走破できる。
米銃乱射事件
銃犯罪が相次ぐ米国で、またしても悲劇が起こった。北東部メーン州・ルイストン市で25日夜、レストランやボウリング場などで銃乱射事件が起きた。
事件があったルイストン市の病院前で銃を持ち警戒する保安官
© AP Photo / Steven Senne
警察は当初、少なくとも22人が死亡、30人が負傷したとしていたが、その後死者は16人に訂正した。だが、状況は流動的としており、一部報道では負傷者は60人に達するという情報もある。
情報は錯綜しているが、少なくとも犯人1人が未だ逃走を続けているとみられる。米FOXニュースはこれまでに、犯人2人が同時に銃撃を行った可能性も否定できないとし、そのうち1人が拘束されたと報じたが詳細は不明。
一方、警察は40歳の「重要参考人」の男を数百人態勢で捜索している。この男の車は隣町のリスボンで見つかっており、周辺に潜伏している可能性があるとして行方を追っている。
露首相が外遊
ロシアのミハイル・ミシュスチン首相は、中央アジア・キルギスで行われているユーラシア経済連合(EAEU)の会合に参加し、地域や世界におけるその役割を強調した。
「EAEUは多極世界の1つの中心地になりつつある。実際にその存在の意義や外的試練、世界的課題に対しての耐久力を証明している。EAEUが成立してから、加盟5カ国の間での貿易は2倍に増え、産業界の生産量も20パーセント伸びた」
ベラルーシ大統領「露と一体」
笑顔で握手を交わすラブロフ外相とルカシェンコ大統領
© Press service of The Ministry of Foreign Affairs of the Russian Federation
ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は26日、訪問先のベラルーシで同国のアレクサンドル・ルカシェンコ大統領と会談した。ルカシェンコ大統領はロシアとの強い連携を強調した。
「ベラルーシとロシアの関係については、議論をするまでもない。我々は一体となって行動する。ベラルーシはこの原則にコミットすると確信してもらっていい」
また、西側諸国との関係に話題では、ラブロフ外相は「欧州は米国の圧力で損失を得ている」と指摘した。
「我々はどの国との協力も拒んでいない。だが、欧州が我々を隔離したいのであれば、今ルカシェンコ大統領が仰ったように、我々は発展や安全保障に必要不可欠な独立した自前のものをつくる方向に移行するほかない」