イスラエル・パレスチナ紛争
ハマス掃討後、多国籍軍派遣を検討
米国とイスラエルが、パレスチナ・ガザ地区へ多国籍軍の派遣を検討している。米ブルームバーグ通信が情報筋の話として伝えた。
これはイスラエル軍のハマス掃討が成功した場合の計画で、サウジアラビアやアラブ首長国連邦などのアラブ諸国が米国、英国、ドイツ、フランスなどの支援を得てガザ地区を暫定支配するというもの。一方、米政府は現時点ではガザ地区への米軍派遣は議論されていないとしている。
紛争激化でGDP4%減
中東での紛争が拡大した場合、イスラエルの国内総生産(GDP)は最大で4パーセント(%)減の4540億ドル(68兆6700億円)まで落ち込む可能性がある。ロシア経済大学のホジャ・カバ上級講師がスプートニクに対し語った。
「現在の紛争は激化の度合いによって、イスラエルに深刻な経済的打撃をもたらすだろう。我々の推計では、1~4%のマイナス成長となる」
2022年のイスラエルのGDPは、前年比6.5%増の4730億ドル(71兆5400億円)だった。
声明を読み上げるフーシ派報道官
© 写真 : Almasirah TV
イエメン・フーシ派が参戦
イエメン北部を実効支配する親イラン組織のフーシ派(アンサール・アッラー)は10月31日、パレスチナ情勢をめぐりイスラエルとの戦争状態に入ったと正式に認めた。
フーシ派は先月以降、弾道ミサイルや巡航ミサイル、ドローンによるイスラエルへの攻撃を3回に渡って行ったと主張。フーシ派軍報道官は声明で、「イスラエルがガザ侵攻をやめない限り、ミサイルやドローンによる攻撃を続ける」と述べている。
南米諸国、イスラエルと関係悪化
コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領は、駐イスラエル大使を帰国させると発表した。イスラエルの「パレスチナの民の虐殺」が続けば、国交断絶を招きうると警告した。
これまでに南米諸国ではボリビアがイスラエルとの外交関係を断絶。チリもコロンビアと同様に大使を召還している。
ウクライナ情勢
露南部でドローン2機撃墜
ロシア国防省は1日、同日にかけての夜にウクライナと国境を接する露南部のブリャンスク州とクルスク州で、計2機のドローンを撃墜したと発表した。
支援で割れる米共和党
米紙ワシントン・ポストは、米議会の共和党がウクライナ支援をめぐり2つに割れていると報じた。バイデン政権はウクライナとイスラエルへの支援を合わせた総額1060億ドル(16兆円)規模の支援を予算請求していたが、先月下院議長に就任したマイク・ジョンソン議長はイスラエル支援のみの単独採決を強行する決定を下した。
これが、バイデン政権や民主党だけでなく、身内の共和党からも批判の対象になっているという。ウクライナに1セントも渡すまいとする強硬派と、歳出削減を進めながらもウクライナ支援を継続すべきとする派閥との溝が広がっている。
マスク氏、ソロス氏を「人間嫌い」と非難
イーロン・マスク氏
© AP Photo / Susan Walsh
米国の実業家イーロン・マスク氏は、投資家、政治活動家など様々な顔を持つオープン・ソサエティー財団のジョージ・ソロス総裁について「彼は根本的なレベルで人類を憎んでいる」と持論を語った。
マスク氏はソロス氏を米民主党にとって「最大のスポンサー」と位置づけ、地方議員の選出を支援して影響力を行使しているとの見方を示した。マスク氏はこれまでに、言論の自由を守るためとして、オープン・ソサエティー財団を訴える意向を表明しており、ソロス氏との因縁は深い。
ソロス氏は資金投機により多くの国で政権交代を組織したとして繰り返し非難されている。ソロス氏自身、ウクライナでは2004年の「オレンジ革命」、2013年の「ユーロマイダン」に貢献したことを否定していない。様々な国でソロス氏は内政干渉の疑いで告発されている。
中国、外国の気象観測拠点に警戒感
気象観測装置
© 写真 : SNS
中国国家安全省は、中国国内に違法に設置された外国の気象観測拠点が数百カ所で発見されたと発表した。安全保障上の潜在的な脅威になりうるとして、警戒感を高めている。
同省によると、国内20地域以上で発見された観測拠点からは、リアルタイムで外国に情報が送られている。そのなかには軍事施設や軍需産業の施設に設置されているものや、中国の穀倉地帯の収穫量の分析を行っているものもあると主張している。