研究チームは、大腸菌株を改変して、ポリエチレンテレフタレート(PET)を吸収し、アジピン酸を生成するようにした。アジピン酸は、ナイロン材料、医薬品、食品に酸味を与える食品添加物E355などを含む香料の製造に広く使用されている。
細菌を使ったプラスチックごみのケミカルリサイクルのプロセスは、複数の段階からなる。まず、改変された微生物がテレフタル酸(PETの主成分)をムコン酸とアジピン酸に変換する酵素を分泌する。次に、別のタイプの微生物が行動を起こして、得られたムコン酸を必要な原料に変換する。
実験では、微生物が最大79%のテレフタル酸をアジピン酸に変換できることが示唆された。
研究チームによると、通常アジピン酸はエネルギー消費量が高い炭化水素原料から得られるため、このようなアプローチは最終処分場のプラスチックごみの量を減らすだけでなく、化石燃料の消費量も低減する。
改変された大腸菌株
CC BY 4.0 / Marcos Valenzuela-Ortega et al/ACS Central Science / E. coli that efficiently transform PET (cropped image)
これより先、スペイン人の学者たちは、数種のイモムシの唾液がプラスチックを分解することを明らかにした。
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