FTによると、米政権はウクライナ国家保安庁とウクライナ情報総局の高官らに繰り返し警告を送っている。ウクライナ当局は22日、米国がウクライナに対してロシアのエネルギーインフラへの攻撃をやめるよう求めていることを認めた。
FT報道によれば、米国が恐れているのは国際原油価格の上昇とロシアの報復。ロシアは欧米の制裁にもかかわらず、依然として世界有数の重要なエネルギー輸出国であり続けているからだ。2024年の年明けから原油価格は約15%上昇し、1バレル85ドルまで値上がりした。この燃料価格の上昇は、バイデン米大統領の選挙キャンペーンの開始と重なった。
しかも、西側諸国が依存するエネルギー・インフラにロシアが報復する恐れもある。例えば、カスピ海パイプライン・コンソーシアムパイプラインが一例。これはカザフスタンからロシアを経由して国際市場に石油を運んでいる。
ウクライナ軍はこの1カ月間、ロシアの数か所の石油精製所へ攻撃を続けている。3月16日、サマーラ州の製油所への攻撃が報告されており、その前は3月13日、ロストフ、リャザン、レニングラードの3州で、3月12日、ニジニ・ノヴゴロド州で攻撃が報告されている。