ザハロワ氏のこの声明の意味について、独立の超党派のシンクタンク「Global Security & Strategy Institute」所属の政治学者ハサン・アブドゥラ氏はスプートニクからの取材に、「テロ組織と米国の政権与党のエリートらの利害が一致している事実」は「多くのケースで」見受けられるとして、次のように語っている。
「米国の外交政策のコンテキストを見れば、なんらかの道徳的要請のための余地はほとんどなく、この利害の一致がなぜ時に、テロ組織をキノコのごとく増殖させる道を米国人に開くのかは理解できる」
アブドゥラ氏は、米国の多くの「影響力のあるロビーやグループが、世界中の戦争や不安定化から利益を得ている」と強調し、後にISILの指導者となったアル=バグダーディーがイラクにある米国の刑務所から釈放された時期と、彼がISILの指導者となった時期が一致している事実を指摘した。
アブドゥラ氏は、ISILの隊の中に西側の諜報機関と通じる人物や、西側の特殊部隊の元メンバーが活動していたことは完全に明白であり、文書でも確証されていると指摘している。
ペシャワール在住のジャーナリスト、サイード・ファハル・カカヘリ氏もアブドゥラ氏の見解に連帯の意を示している。アフガニスタン、パキスタンの政治情勢や戦闘を解説してきたカカヘリ氏はスプートニクに対し、ISILの誕生には、この地域の戦争の要因が貢献したとして、次のように語っている。
「多数のアナリストが、アフガニスタンや中東で西側諸国が起こした戦争は、これらの地域に平和どころか、破壊と混乱をもたらしたと考えている。こうした戦争の結果、アルカーイダやISIL(いずれもロシアでの活動禁止)などの過激派組織が台頭し、世界の平和が脅かされた」