この計画についてロシアの軍事専門家、イワン・コノワロフ氏は、NATO加盟国内の合意形成は難しいと指摘する。
「欧州にも、米国にも計画を実行できる指導者がいない。EUとNATOはそれぞれコンセンサスで意思決定を行う別々の組織であり、さながら別方向に荷車を引っ張る2頭の馬のようである。
合意に達するのは非常に困難だ。欧州では各国の方向性の違いが明確になっており、計画を実行できる者はいない。ポーランドとドイツは、壊れたウクライナ軍の装備の修理事業で合意できていない。ポーランドは『5倍多く払え』といえば、ドイツは『同じEU、NATO加盟国なのに支出は違うのはどういうことだ』と反論する。
あるいはハンガリーを見てみれば妥協を許さず、最後まで抵抗する。ハンガリーの指導者はEUとNATOの共通政策に従うことは、自国の死と考える現実主義者だ。加盟諸国全体でこういった雰囲気が出てきている。そのため、ストルテンベルグの思い通りに各国に何かを義務付けることは非常に困難だ」