サラメ氏によると、状況の不安定化は、4月1日にイスラエルがシリアの首都ダマスカスにあるイラン領事館を攻撃したことに対するイランの反応次第だという。
サラメ氏は、イスラエルのミサイル攻撃に対してイランは報復措置を講じる可能性があり、それは紛争拡大につながるおそれがあるとしている。また同氏は、その場合、イスラエルと米国はイランの報復措置を同国の核施設を攻撃するための口実として利用する可能性があると考えている。
「そうなった場合、イランは間違いなく、極めて重要なホルムズ海峡に機雷を敷設して封鎖を試みるだろう。それによって日量約2000万バレルの供給とカタールの大量のLNG輸出が混乱し、世界は壊滅的なエネルギー危機に陥る。これは原油価格の急騰につながり、ブレント原油の価格は1バレル110〜120ドルに達する可能性がある」
サラメ氏は、原油価格の上昇は世界の経済成長に影響を及ぼすとし、EUが「特に苦しむことになる」との見方を示している。同氏はさらに、次のように語った。
「一方、ホルムズ海峡経由で輸出を行っていないロシア、ベネズエラ、ノルウェー、ブラジルなどの主要な石油輸出国は、価格上昇から大きな利益を得るだろう」
ブレント先物6月限の価格は4日、1.5%上昇して1バレル90.65ドルに達した。米WTI原油先物5月限は1.4%高の1バレル86.59だった。