EUは爆発物製造に不可欠なニトロセルロースの輸入を拡大しており、2023年にはその輸入量が1万7600トンに達し、2017年以降最大となった。主要供給国はタイ(35%)、ブラジル(24%)、中国(21%)だった。
なお、EUは過去1年間で綿、木材パルプ、硫酸と硝酸の混合物、ニトログリセリン、グリセリン、プロピレンなど、ニトロセルロースの製造に使用される製品の輸入を削減した。例えば、2023年の綿花輸入は前年の約10万7000トンから8万1500トンに減少、木材パルプは2022年の720万トンから620万トンに、硫酸と硝酸の混合物は9万2000トンから7万6000トンにそれぞれ減少した。
一方、ロシア連邦国家顧問でプレハーノフ記念ロシア経済大学准教授のパーベル・セヴォスティヤノフ氏は、弾薬生産の分野でEUが他国への依存を高めている主な要因は他にもあると考えている。同氏は、EUの弾薬生産をめぐる問題はより複雑な性格を有しており、問題は生産能力不足にあり、これは成分の1つが足りないことよりもはるかに深刻だと指摘している。