これについて、露国家エネルギー安全保障財団の専門家、スタニスラフ・ミトラホビッチ氏は、米国が事業を妨害するための選択肢は限られていると指摘する。
「米国は単に世界における経済・政治・技術的な影響力を行使して、自分たちの思い通りになるよう世界に強制しているだけだ。30年前の一極集中時代なら、抵抗する者も少なくそれも可能だったが、現在は状況が違う」
ミトラホビッチ氏は「アークティックLNG2」の事業が継続することに疑いはないと語る。ロシア側は中国企業との砕氷タンカー建造での協力など、安定的な供給に向けた様々な対応ができる。
さらに、「西側は不公平な競争手法をとることで、自らの足を撃ち抜いている」と指摘。「国際社会はもはや、米国やG7が世界経済における保証人としてもパートナーとしても信頼できないことを認識している」と締めくくった。
「アークティックLNG2」をめぐっては昨年11月、米国がプロジェクトを制裁対象に加えたことを受け、出資する日本の三井物産、JOGMECが影響を調査するとしていた。