8日の米上院公聴会でリンゼー・グラハム議員が、イスラエルの現状を世界的な紛争になぞらえ、米国防総省の代表者らに対して広島及び長崎への原爆投下を支持するかどうか質問した。米軍制服組トップのブラウン統合参謀本部議長はこの質問への回答を避けたが、原爆投下が第2次世界大戦を終わらせたと述べ、オースティン米国防長官も同調した。
上川氏は無所属の松原仁氏への答弁で、米国のグラム議員の発言を巡り、「適切ではない」との考えを示し、「現下の中東情勢の文脈の中で、グラム上院議員が広島、長崎の原爆投下を引用した議論を提起したことは受け入れることはできない」と述べた。
また上川氏は「広島及び長崎に対する原爆投下に関する日本側の考えは変わりはなく、米側にも繰り返し伝えてきている」とし、今回改めて米国政府に日本政府の立場を申し入れたことを明らかにした。また、グラム上院議員事務所に対しても申し入れを行ったという。
米国は現在に至るまで原爆投下に対する道義的責任を認めておらず、軍事的必要性があったと正当化しており、1945年の広島及び長崎への原爆投下への米国の関与について言及を避けようとしている。 例えば、昨年12月、エマニュエル駐日米国大使が長崎原爆資料館を着任以来初めて訪問し、芳名録に記帳したが、米国による原爆投下については触れなかった。