ボガチョフ氏は5月10日、最大規模の太陽フレアが続けて発生したため、数日以内に地球は20年来の最大級の磁気嵐に見舞われると語っていた。
今回の磁気嵐については米国の宇宙天気予報センター(SWPC)もレポートで「東部時間午後6時54分(日本時間11日7時54分)の時点でG5という極限レベルに到達した」と報告している。
2019年から始まった太陽活動の活発化サイクルではこれまでにG4級の磁気嵐が3度発生しており、最近では2024年3月24日に観測されている。G5級の磁気嵐は2003年10月に発生し、その際にはスウェーデンで停電した他、南アフリカで変圧施設が壊れた。
磁気嵐の強度は5段階方式のGスケールで表される。G1が最も弱く、電気機器への影響はほぼ皆無。G3になると強く、電気機器に直接影響し、衛星ナビや通信に支障が出る。G5は最大級で送電網に広範囲に支障が出たり、人工衛星、通信が深刻な誤作動を起こすことがある。
G5級の磁気嵐の場合、人体に影響が出ることがあり、感じやすい人は頭痛、だるさを感じたり、血圧の急上昇や不眠に悩まされる。磁場が不安定になることで毛細血管の血流が緩慢になり、組織が酸素不足に陥るという研究結果が出されている。