なぜ、アルゼンチン人は自分の眼球の生体認証データを大量売却?

経済危機に喘ぐアルゼンチンでは仮想通貨ワールドコイン(WLD)の人気が高まっている。ワールドコインはユーザーの特定に眼球の虹彩の生体認証データを使用する。虹彩データを提出すると、5万ペソ以上(約8800円)の価値のWorld ID(ワールドID)10トークンを得られる。アルゼンチン人は自分の生体認証データを喜んで提出しており、1日でほぼ1万6000件のデータ登録という記録が達成されている。
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情報技術の専門家リカルド・トムベス氏はスプートニクからの取材に対し、こうした状況には深刻なリスクが潜んでいるとの見方を示している。

「個人的な生活に対する権利は各々にある。プライベーションとは、情報が我々だけに属し、ほかの誰もその情報にアクセスできないということに対する我々の権利と言えるものだ。そして、その権利が危険にさらされるおそれがある」

ワールドコイン・プロジェクトは、チャットボットChatGPTを開発したOpenAIのサム・アルトマンCEOが設立。 ワールドコインの目標とは、新たな「認証と金融のネットワーク」の創設。独自のデジタルワールドIDによって、ユーザーは自分がボットではなく人間であることをオンラインで確認できる。ワールドコインは「オーブ」という金属のボール状のデバイスを用いて人の虹彩をスキャンし、それに関する情報を暗号コードの形で記録する。
スペイン、フランス、ポルトガルは3月、ワールドコインを一時的に禁止。ワールドコインは昨2023年には、ケニアから事業活動の停止を求められたほか、インドとブラジルからも撤退している。
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