米初の原爆実験、ソ連は予め知っていた 極秘解除文書で判明

広島・長崎への原爆投下直前の1945年7月に米国が行った人類初の核実験「トリニティ実験」について、ソ連の諜報機関は前もって実施予定と使用される核爆弾の情報を掴んでいた。露対外情報庁が秘密解除し、公開した文書で明らかになった。
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公開された文書は、1945年7月2日までに作成されたとみられる。そこには「ウラン235なしの元素番号94番(編注:プルトニウム)を使った爆弾である」「7月10日ごろに核実験が行われる見込み」などと核実験予定の詳細が記されていた。
実際に同月16日、米原爆開発を担ったロスアラモス研究所は、ニューメキシコ州で人類初の原爆実験を行った。この際に使われたのは後に長崎に投下されたのと同じ、プルトニウム型だった。
諜報から得られたデータは、ソ連の科学者らの独自の理論や研究の内容と比較され、開発への時間短縮や不必要な資金の出費の抑制に貢献した。こうして戦後米国との冷戦構造に向かうなか、ソ連は1949年に世界で2番目の核保有国となった。
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