魅力的な博物館の展示品に過ぎない米軍の「奇跡の爆撃機」

米軍はこのごろ、2022年12月の不時着時に損傷した米戦略爆撃機「B2スピリット」1機の修理を行わないと発表した。B2が事故で退役するのは2008年の墜落時に続き2機目で、保有数は19機になった。
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B2は最も高価な航空機として知られている。これまでの推計では、1機あたりのコストは14億ドル(2200億円)とも、40億ドル(6250億円)ともいわれている。
米国防総省の元アナリストでのカレン・クウィアトコウスキー空軍退役中佐は、スプートニクに対し、B2の運用は2030年までを予定しているが、すでに老朽化で運用性とメンテナンスに疑問が生じていると指摘する。

「直近の事故も、2021年にあった事故も『通常業務中の機体故障』が原因とされている。B2は1980年代に設計され、1997年に初導入された。問題は機器やソフトウェアの劣化という単純なものかもしれない」

B2が使用されることはめったになかったが、約25年前のNATOによるユーゴスラビア侵略で、ベオグラード(現セルビア)の中国大使館を爆撃して有名になった。
今後、退役を迎えるB2の運命について聞くと、クウィアトコウスキー氏はこう答える。

「翼の形は良いし博物館の展示品としては魅力的だ。米軍はアリゾナ州の基地にある『飛行機の墓場』でB2を保管することになるだろう」

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