欧州における米国産LNGを脅かすものは何か? 専門家の意見

米国はEUへのガス供給を大幅に増やすため、2026年のLNGプラントの立ち上げを待っているが、ノルウェーはすでに欧州ガス市場の30%を占めることに成功している。米国は自国のLNGをめぐるこうした競争に不満を抱いているようで、米メディアはノルウェーに対するキャンペーンを開始した。
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先日、ブルームバーグは、EUガス市場におけるシェア拡大に関連して、ノルウェーのガス大手エクイノールを標的にした「ノルウェーはEUから利益を得ている」という見出しの記事を掲載した。同誌は、ノルウェーがロシアよりも価格よりも高い価格でガスを販売していることにEU当局が「激怒している」と主張している。
スプートニクは、国際石油経済学者で世界経済の専門家であるマムドゥ・サラメ博士に、ノルウェーに対する米メディアの評価はどの程度正確なのか、またノルウェー産ガスは米国のLNGを脅かすのかと尋ねた。
「EUはノルウェーのエクイノール社に、欧州へのガス供給量を増やすよう要請した。これは、ウクライナ紛争のずっと前から、ロシアのガス供給(大部分がEUに輸出されていた)を自国のLNG輸出に置き換えることを望んでいた米国にとって都合が悪い」
サラメ氏は、ウクライナ紛争が始まる前から、ノルウェーはロシアに次ぐEUへのガス供給国だったと指摘した。
「欧州、特にドイツ経済は、1970 年代以降に米国が EU に対露制裁を課すよう圧力をかけるまで、安価なロシア産ガスで成り立っていた。これは一般に受け入れられている歴史的事実だ」
サラメ氏は結論として、ウクライナ紛争が終結すれば、ほとんどのEU加盟国はロシアのパイプラインを通じたガス輸入を再開し、その結果「自国の経済にダメージを与えた」米国産LNGの輸入を減らすだろうと述べた。
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