ニューカレドニアで何が起きているのか

仏領ニューカレドニアで5月13日、現地に10年以上滞在するフランス人に地方参政権を与える憲法改革を仏議会が承認したことに対して、首都ヌメアで平和的に開始された抗議行動が大規模な暴動へと発展した。暴徒らは店舗、薬局、ガソリンスタンドに押し入り、乗用車に放火。この結果、少なくとも5人が死亡、数百人が負傷した。現地当局は「未曽有の暴力行為のうねり」が起きていると発表。2日後の15日、仏政府は現地に非常事態令を発令し、「ニューカレドニアの港湾、空港の安全確保」の名目で軍の派兵を決定した。
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仏ニュース専門局BFM TVの報道では、大暴動による経済損失は3日間で2億ユーロ(約338億円)に上っている。

大暴動が起きた理由は?

ニューカレドニアは仏の海外領土(特別共同体)で本国からは2万キロ離れている。太平洋南西部に1万9000平方キロメートルの海域にある群島で、人口およそ27万人。仏領には1853年に組み込まれた。
ロシア科学アカデミー、欧州研究所のセルゲイ・フョードロフ研究員は今回の大暴動は独立を支持する地元民の戦いとの見方を示し、次のように語っている。

「仏からの独立を願う人々は独立の是非を問う住民投票を行おうとしてきた。今までに、2018年、2020年、2021年と3度の住民投票が実施された結果、住民の大多数が仏領に留まることを望んでいることが示された。今回の暴動の引き金となったのは仏政府の憲法改正を行う決定だ。これによってニューカレドニアの選挙民の数は増えることになる。独立派は、選挙民の比率が変われば、独立派が勝利する可能性はなくなると思ったのだ」

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