ゼレンスキー大統領が任期満了 選挙なしで続投へ 数字で見る5年間

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の任期が20日で満了を迎えた。本来3月末に行われるはずだった選挙は延期され、今後も戒厳令を延長し続ければ、選挙なしでその職に留まることができる。
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ゼレンスキー政権は、戒厳令下の大統領選の実施禁止を定めた法律に基づいて、自らの正当性を主張。一方で憲法では「任期は5年」と明確に定められている。
憲法に戒厳令下の大統領選についての規定はないが、「後任の就任まで、大統領は職務を遂行する」という条文がある。実際に2004年オレンジ革命時には、クチマ大統領が任期を約2ヶ月超えて職に留まった。だが、この際は大統領選が第3ラウンドまでもつれこんだためで、最初から選挙がなかった今回とは事情が異なる。
ここではゼレンスキー政権の5年間を数字で振り返る。
ウクライナの2023年の公的債務は1453億ドル(22.7兆円)と歴史的水準に達した。19年は506億ドル(7.9兆円)、20年は642億ドル(10兆円)で、この数年で2.5倍以上に増加した。
IMFは2023年のウクライナのGDPに対する公的債務比率は88.1%に増加し、24年、25年はそれぞれ98.6%、100.7%まで膨らむと予想。
ウクライナ中央銀行によると、2019年5月のゼレンスキー政権誕生以降、1年目の終わりまでにGDPは4.4%減少。
ウクライナ経済発展・貿易省によると2022年以降、ウクライナのGDPは約3分の1に落ち込んだ。
ウクライナの学術機関「人口・社会学研究所」によると、過去20ヶ月で約600万人がウクライナを脱出。そのほか、住民投票でウクライナを離脱しロシアに統合された地域には約400万人の住民がいる。
IMF統計によると、現在の国内人口は約3370万人で、大統領就任以前の約4400万人から1000万人あまり減少した。
シンクタンク「ウクライナ未来研究所」によると、現在ウクライナの出生率は1.0以下に落ち込み、人口維持に必要とされる2.07を大きく下回っている。
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