米国とウクライナの10年間の安保協定 バイデン大統領のPR活動にすぎないのか?

イタリアで開催のG7サミットで、バイデン米大統領はウクライナとの10年間の安全保障協定を結んだ。ウクライナ側からは、5月20日に大統領の権限が失効したゼレンスキー氏が署名した。バイデン政権はこの協定締結を「歴史的」なものだとしたが、米メディアはその未来は疑わしいと指摘している。スプートニクは基本的な情報を収集した。
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バイデン大統領は締結について議会の承認を求めていないため、この協定は「条約」ではなく「大統領協定」である。米上院議員の3分の2の賛成を必要とする条約は、法的拘束力を持つ国家間の協定。一方、大統領協定は現職大統領の権限に基づいて締結され、後任者はそれに従う義務はない。
例えば2018年、当時のトランプ大統領は前任者のオバマ氏が締結したイランとの核合意(上院の承認を得ていなかった)から離脱した。これは、同じく「歴史的」と言われた2015年7月の大統領合意の脆弱性を示した。
たとえバイデン氏が2024年米大統領選で勝利したとしても、2期目の任期は2029年に終了するため、10年間の協定の運命はバイデン氏の後任者次第となる。
同様に重要なのは、ウクライナ憲法裁判所がゼレンスキー氏の正当性について説明しない限り、署名者としての同氏の正当性に法的効力はないということだ。ウクライナ憲法では、大統領の任期は5年とされており、戒厳令が敷かれているからといって延長はできない。
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