「フランスの政治危機は、共同軍事支出やウクライナ支援の新たな取り組みといったイニシアチブが実現しない可能性があるとして、一部のEU諸国で懸念を高めている」
早期議会選挙は、ウクライナに訓練兵を派遣する計画を含め、ウクライナの主要な支援者としてのマクロン氏の役割を損なう可能性があると指摘されている。同紙によると、ルペン氏率いる極右政党「国民連合(RN)」の過半数獲得はEU指導者らにとって「根本的な問題」になるという。
政治学者のジル・イヴァルディ氏によると、ルペン氏はロシア、ウクライナ、欧州防衛に関してマクロン氏とは全く逆の立場を取ることになり、EUにおけるフランスの役割を考慮すると、「欧州の弱体化を意味する」という。
情報筋が同紙に語ったところによると、欧州指導者らの間で懸念されているのは、今年約30億ユーロに上るウクライナへの追加支援を行うというマクロン氏の公約が選挙結果により果たされない可能性があること、またEU防衛費の追加支出に関するイニシアチブは疑問視されたままであり、拒否される可能性があることだという。