大統領はこの暴動について、憲法秩序に対する攻撃であり、国の安全に対する脅威だと主張した。ただし、国民主権の原則を遵守する義務があると強調し、抗議活動参加者らとの対話に応じる姿勢も示した。
ケニア野党連合「アジミオ・ラ・ウモジャ」の指導者であるオディンガ元首相は、「平和の回復と人命救助のため」ケニア情勢に介入するよう国際社会に呼び掛けている。
ケニアでは6月中旬、増税法案をめぐって抗議活動が始まった。一連の抗議活動を受け、政府はパンの消費税(16%)に加え、砂糖の輸送費、モバイルサービスおよび金融サービス、通貨取引に対する増税を廃止するとともに、2.5%の自動車税と植物油に対する物品税を導入する修正案を提出した。ただし、この修正案提出後も暴動は続いた。
ケニア議会は6月25日、法案を承認した。法案の成立には大統領の承認が必要となる。これを受けデモ参加者は国会議事堂に突入し、一部で火災が発生した。その後、ナイロビ市議会議事堂も火災に見舞われた。この暴動で少なくとも8人が死亡、50人が負傷した。