このハイドロゲルは薬物のタンパク質と混ざり合うことで、その構造に変化が生じ、固形の透明な物質に変わる。この物質は注射器に入れることができる。注射器から薬を取り出すには、注射器のピストンを押すだけでいい。その際にハイドロゲル分子の鎖が切れてゲルが液体に戻るため、ハイドロゲルは注射針に入らず、薬だけが注射器から出てくるという仕組みだ。科学者たちは、この方法を使うおかげで、マイナス20度で保存する必要のある医薬品であっても、最高室温がプラス50度の高温でも腐敗しないと太鼓判を押している。