モディ首相は会談の中で、「時間を無駄にせず対話に向けて進む必要がある」としたうえで、「双方がテーブルに就き、紛争から抜け出す方法を見つけなければならない」と訴えた。
また、戦場で紛争は解決できないと改めて強調、和平を達成するためにはあらゆる支援を惜しまないとし、ロシア側との間で仲介役を申し出た。この提案について、ゼレンスキー氏の反応は明らかではないが、先にウクライナのクレバ外相はインドの仲介を必要とはしていないと表明していた。
会談後に記者会見に応じたジャイシャンカール印外相によると、ウクライナ側は自らが主導する和平サミットのプロセスにインドが引き続き参加することを望んだものの、その効果については疑問も提示されたという。そのため、必ずしもウクライナが推進する平和サミットのフォーマットばかりが議論されたわけではないとのこと。
インドはすべてにおいてウクライナ側のフォーマットに同意しているわけではないとし、ロシアを招待するのは平和サミットの主催側、特にウクライナの役目だとしたほか、紛争解決には多くのアプローチがあると指摘した。
外相は平和的解決の選択肢に関する質問に答えた中で、会談では自らの考えを共有したほか、ロシア側との詳細な協議を含め、この問題に関する他国との協議結果も共有したと指摘した。
ウクライナ側はロシア側のアジェンダについてコメントしたほか、自らのビジョンについても多くのことを語ったという。また、双方は全く新しいテーマを提案し、これを検討したとも発言したが、「進展があれば」情報を明かすと発言するにとどまった。
インドは2024年6月にスイスで開催された和平会議に参加したが、ロシアが招待されていなかったことから、共同コミュニケには署名しなかった。また、同じくロシアとの関係を重視するブラジル、メキシコ、南アフリカ、アルメニア、サウジアラビア、タイ、スロバキアも署名しなかった。