「結論から言えば、危険はない。より慎重に言えば今のところはない。魚介類も何の疑いもなしに食べられる。東北沖を含む海水のモニタリング調査では、トリチウム含有量に関する脅威は見つからなかった」
同研究所によると、2022~24年に行った調査では、海水中のトリチウム含有量は平均で1リットルあたり約0.12ベクレルだった。ロシアの許容量は7700ベクレル、WHOは10000ベクレルで、安全基準を大幅に下回っている。
黒潮本流や南クリル諸島沖で一部トリチウム濃度が他より高い場所がみられたが、いずれもほぼ自然界と同じ数値で「懸念を呼ぶものではない」と指摘した。一方、魚介類への影響については「心配する根拠は今のところない」とした。
同研究所は6~7月、調査チームを太平洋、日本海、オホーツク海などに派遣。100トン以上の海水サンプルを回収し、精密な検査を行った。8月には処理水放出の漁業への影響を詳しく調べるため、別の調査チームも出発していた。