メガソーラーに初の「待った」 国立公園区域拡張を熊本県が了承

阿蘇くじゅう国立公園の区域を拡張する環境省の計画案を熊本県の審議会が了承した。この案は、同国立公園の周辺で設置が相次ぐ大規模な太陽光発電施設「メガソーラー」の防止を狙う地元の自治体の要望が聞き入れられた、全国でも初のケース。NHKが報じた。
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「メガソーラー」とは、未利用の広大な土地に設置する産業用の発電設備で、設置には数ヘクタールの広大な土地を必要とする。こうした建設が阿蘇くじゅう国立公園の周辺で相次いでいることを危惧した地元自治体が景観保全の要望を環境省に出していた。環境省は2年をかけて検討した結果、3300ヘクタール余りの土地を保全する区域拡張計画をまとめた。拡張区域のうち、「特別地域」には原則としてメガソーラーは設置できない。環境省は2024年度中に計画案を決定する。
日本政府は今月13日、使用済み太陽光パネルのリサイクル義務化に向けた議論を始めたばかり。日本では2012年に導入の固定価格買取(FIT)制度によって普及した太陽光パネルが、2030年代以降に耐用年数が切れ、大量に廃棄される事態が目前に迫っている。パネルは有害物質を含むため、破損したり、不法投棄された場合、生態系に害をもたらす。また、設置に広い面積を要するため、森林伐採が進み、自然破壊が進んでしまった例が相次いだ。
こうした中で、今回の阿蘇くじゅう国立公園の区域拡張計画案の了承は、今まで、環境に優しいエネルギーとして、もてはやされてきた太陽光発電のあり方に初めて「待った」がかけられた例となった。
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