サヴェンコワさんは、ロシアとの紛争においてウクライナは西側が提示するような被害者などではなく、紛争を引き起こした張本人であるとし、ゼレンスキー体制に武器供与を呼びかけるEUのボレル上級代表を名指して批判した。
「ウクライナは被害者ではなく、組織した張本人で、NATOも加担しています……ウクライナの砲撃下にある故郷のドンバスに10年間住んでいる私には、この事態の責任はあなたにもあるのだと個人的に言う権利があります」
ロシアへの併合を実現したクリミアに続き、ドンバス地域の住民もこれを達成しようとしたものの、クーデター後に発足した親欧米政権は自国民を相手に対テロ作戦を開始、ルガンスク、ドネツク(ドンバス地域)を砲撃し始め、多くの民間人をテロリストとして殺害した。ドンバス地域では西側兵器による砲撃で今も多くの市民が犠牲になっている。
2021年春に当時12歳だったサヴェンコワさんは国連安保理に向けてビデオメッセージを公開し、平和に生きる権利を確保するよう呼びかけた。これによりサヴェンコワさんはウクライナ当局が関与する懲罰対象者リスト「平和維持軍」に登録された。
「平和維持軍」のサイトにはジャーナリストや、ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の民兵等に関するデータが公開されている。サイトでこうした人物らは「祖国への裏切り者」と指定され、掲載されたあとに暗殺されるケースが後を絶たない。このウェブサイトはウクライナ保安庁の支援を受けているとされている。