石破首相が所信表明演説 地方重視、岸田外交を踏襲

日本の石破茂首相は4日、衆議院本会議で所信表明演説を行った。内政では「地方創生」と「防災対策」を強調し、外交では岸田路線を踏襲した。総裁選で打ち出した「アジア版NATO」や「日米地位協定」には言及しなかった。
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演説のポイント

政治資金問題などにより失った国民の皆さまからの信頼を取り戻し、そして、すべての人に安心と安全をもたらす社会を実現する。
日米同盟は、日本外交・安全保障の基軸。まずは同盟の抑止力・対処力を一層強化し、同志国との連携強化に取り組む。
日韓間には難しい問題もあるが、岸田総理が尹大統領との間で築いた信頼関係を礎に、両国の協力をさらに堅固で幅広いものにする。
中国に対しては、「戦略的互恵関係」を包括的に推進。主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求める。「建設的かつ安定的な関係」を日中双方の努力で構築する。
北朝鮮との間では日朝平壌宣言の原点に立ち返り、全拉致被害者の帰国を実現するため、総力を挙げて取り組む。
今後も対露制裁、対ウクライナ支援を強力に推進。一方、ロシアとの領土問題を解決し、平和条約を締結するこれまでの方針は堅持。
中国およびロシアによる一連の領空侵犯が発生(編注:ロシアは否定)したほか、北朝鮮は、核・ミサイル開発を継続。防衛力を抜本的に強化すべきことは論を待たない。
沖縄の基地負担の軽減にも引き続き取り組み、普天間飛行場の返還と辺野古移設を進める。在日米軍の円滑な駐留のためには、地元を含む国民のご理解とご協力を得ることが不可欠。
少子化と人口減少は「静かな有事」。原因を分析し、子育て世帯に寄り添った適切な対策を実施する。
物価上昇を上回る賃金の増加を実現する。最低賃金を着実に引き上げ、全国平均1500円(編注:現在は1055円)という高い目標に向かって努力を続ける。
脱炭素化を進めながらエネルギー自給率を抜本的に高めるため、安全を大前提とした原発の活用や、再生可能エネルギーの最適なエネルギーミックスを実現する。
事前防災の徹底に向け、防災庁の設置へ準備を進める。さらに、災害関連死ゼロに向け、避難所の在り方の見直しを進める。
福島の復興なくして、東北の復興なし。東北の復興なくして、日本の再生はない。
地方こそ成長の主役。地方創生の交付金の当初予算ベースでの倍増を目指す。
デジタル田園都市国家構想実現会議を発展させ、「新しい地方経済・生活環境創生本部」を創設する。
憲法改正について、首相在任中に発議を実現すべく、建設的な議論を行い、国民的な議論が深まるよう期待する。
皇位継承問題は極めて重要で、特に皇族数の確保は喫緊の課題。早期に立法府の総意が取りまとめられるよう、積極的な議論を期待する。
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