検察が事件遺族に控訴しない方針を伝えたという。これで事件から58年が経ち、無罪が確定する見通しとなった。正式な無罪確定を迎えるのは、控訴期限の10日を過ぎてから。
検察側は再審でも死刑を求刑したが、地裁は証拠として提出された「5点の衣類」や自白調書などを捜査当局が捏造したと結論付け、先月26日に無罪を言い渡した。
1966年6月30日、静岡県清水市(現在の静岡市清水区)の味噌製造会社の専務一家4人が殺害された事件。起訴された袴田さんは80年に死刑が確定したが、冤罪の可能性があるとして2014年に再審開始、釈放が決まった。13年には「世界で最も長く収監されている死刑囚」としてギネス世界記録に認定された。