傭兵部隊の越境作戦 NATO、ウクライナの交錯する思惑

露ブリャンスク州に外国人傭兵とみられる工作部隊が越境攻撃を試み、ロシア側に殲滅された事件。背景にあるNATOとウクライナの思惑について、ウクライナ諜報機関の元中佐ワシリー・プロゾロフ氏が、スプートニクに対し独自の分析を示した。
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プロゾロフ氏は「NATO諸国から渡った軍人らが、実際の戦闘経験を積むためにつくられたのが、今回のような工作部隊だ」と指摘。傭兵のうち1人の出身部隊と考えられている「米陸軍第75レンジャー連隊」は、偵察や破壊工作を専門とする組織だという。
また、ウクライナ側にとって今回の工作活動は、軍事的意味とメディア戦略の両方の側面を持つという。

「ひとつは純粋に軍事的な目的で、例えば国境の守りを固めるため他の戦線から部隊を移動させるなど、ロシア側の人員やリソースを割かせたいという思惑。もう一つは、ウクライナ国内向けのメディアを意識したもので、前線の状況が芳しくないなか、何らかの勝利をつくることで、ポジティブなニュースのネタをつくりたいというものだ」

露連邦保安庁(FSB)は28日、ウクライナと接する西部ブリャンスク州へ国境侵犯を試みた工作員らを殲滅したと発表。外国人傭兵とみられており、うち1人には米陸軍の精鋭部隊「第75レンジャー連隊」の隊員であることを示唆するタトゥーが彫られていた。
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