「本質は、この行為は我が国への宣戦布告だ」
クヌートフ氏は、バイデン政権と米国防総省が公式的には、ウクライナ政府にロシア領内へのミサイル攻撃を許可したと認めていないのはまさに、正式な宣戦布告の回避を望んだためだと指摘している。
これは3か国、米国、フランス、英国による、ロシアに対する事実上の戦争を企てる計画の一部であり、仏政府と英政府もまた、ウクライナに仏の長距離巡行ミサイル「スカルプ」と、英国の長距離ミサイル「ストームシャドウ」のロシア領土内への使用を許可する方向に動いていると、同氏は指摘する。
昨今の、ロシア領内へのATACMSによる攻撃に関して、クヌートフ氏は、これらのミサイルは露防空軍にとっては難しい標的だと警告する。これは、米国がウクライナに提供したこのてのミサイルの多くがクラスター弾頭を搭載しているという事実に大きく起因している。
つまり、ミサイルは迎撃されたとしても、その過程で弾頭が爆発し、標的に命中したり、クラスター子弾が散らばる範囲内であらゆるものにダメージを与える危険性がある。
「より速く機動性の高い目標を迎撃できるS-400防空システムは、ATACMSに対してかなり成功を収めている」、と同氏は指摘する。「さらに、我々の防空システム『パーンツィリ』、無人機やATACMSのような戦術ミサイルを同様に迎撃できる万能兵器であり、同様にかなりの成功を収めている」
また、ロシアの防衛メーカーは、ATACMSのような脅威に対抗できるよう、防空システムをより効率的にするために絶えず改良している、と同氏は言う。
ミサイル飛行の遠隔測定データは防空専門家によって蓄積され、防空システムのソフトウェアの改良に使われ、向かってくる脅威に対し迎撃する能力を向上させている。