ウクライナが欧州へのロシア産ガス供与を妨害しているため、市場ではエネルギー価格が高騰している。こうした中、資金不足のウクライナは価格高騰するガスを東欧から輸入するか、それともロシアからの輸入を再開し、さらにはガスの輸送費としてロシアから再び数十億ドルもの資金を手にするか。ウクライナは岐路に立たされている。
現時点で輸入量は1億㎥(500万ユーロ、日本円で約8億円)と少ないが、この冬を乗り切るには輸入量を10倍以上に増やす必要があるとのこと。
2025年1月までにウクライナのガス貯蔵施設に残存する燃料の量は過去最低の約80億㎥となり、これは前年より24%少ない。さらに、そのうち45億㎥はいわゆる「緩衝ガス」で、これを汲み出すと貯蔵施設は機能しなくなる。
ウクライナのガス輸入能力は限られており、1日最大7000万㎥。そのうち4200万㎥がスロバキア領を経由、残りはハンガリーとポーランド経由となっている。
ナフトガス社は2024年8月、ガス貯蔵施設を十分に満たし、さらには自国内の燃料生産を増やしているため、暖房シーズンにガスを輸入する予定はないと述べていた。