メキシコとカナダは日本の自動車メーカーにとっては、世界2位の自動車市場である米国に向けた輸出基地。メキシコは安い人件費、カナダは自動車産業の集積が厚いという好条件が整っていた。米国によるメキシコとカナダへの関税は4日に発動する。日本の自動車メーカーは大きな影響を受けることは避けられない。
トランプ氏の発表後の動きと現状
メキシコにはトヨタ、ホンダ、マツダ、日産という大手4社の工場がある。JETROの2023年の統計によれば、日産は生産台数約61万台の約4割、トヨタは約25万台の約9割を米国に輸出している。
カナダではトヨタとホンダの工場がある他、豊田合成などの部品メーカーも工場を構えている。
3国への関税導入で大影響を被る日本の自動車メーカーは、野村証券の試算によると順にマツダ、ホンダ、トヨタ。トヨタとホンダはメキシコとカナダにサプライチェーンを持つ。日産自動車もメキシコから米国への輸出台数が多く、苦境を強いられる恐れがある。
武藤容治経産相は1月31日、「措置の具体的な内容及び我が国への影響を十分に精査したい」と述べていた。
経済産業省は2日、関税の影響を懸念する日本企業のために日本貿易振興機構(ジェトロ)に相談窓口を設置。情報収集、法務や税務の専門家の紹介を行う。