グアンタナモ基地にはテロリストなどを収容する悪名高い監獄がある。だが、今回到着した不法移民は既存の囚人らと一緒にはせず、移民・関税執行局が監視にあたる。
不法移民の取締強化を進めるドナルド・トランプ米大統領はこれまでに、グアンタナモに最大で3万人を収容できる施設を準備する大統領令に署名。「最も悪い不法移民」らを収監するとしていた。
グアンタナモはキューバ島に位置するが、19世紀末の米西戦争後から米国が租借し、キューバ革命を経た現在まで米軍基地が残る。2001年の米同時多発テロ以降は、国際テロリストらも基地内の収容所に収監された。
外界から隔離された米軍の完全管轄下にあり、海外のため国内法も適用されないという法的なグレーゾーン地帯であることを利用し、人権を無視した拷問が行われてきたとされる。これまでにのべ約800人が収監されたとみられ、トランプ政権発足時には約15人が残っていた。
人権団体などからの批判を受け、10年以上前にバラク・オバマ元大統領は収容所の閉鎖命令を出したが、議会の反対で頓挫。その後、第1次トランプ政権で閉鎖命令は撤回されたものの、新たに囚人が移送されることはなかった。