2.仕事したくない?
というよりもむしろ、彼らは燃え上がりたくないのだ。最近の調査によると、ズーマーは他の世代よりも燃え尽き症候群(バーンアウト)に陥りやすいことがわかっている。
なぜなのか?職場の役割が不明確であり、仕事とプライベートの明確なバランスが欠如しているからだ。また、上の世代とは異なり、Z世代には「ただ耐え忍ぶ」気はない。彼らは意味、明確さ、柔軟性を探し求めている。しかし、彼らに与えられる機会が最も少ないのが、まさにこれなのだ。
「ベビーブーム世代」や「ミレニアル世代」は、仕事に意味を見出すことを教えなかった。疲れが限界に達するまで一生懸命働いても、豊かで幸せな生活が保証されるわけではなく、それどころか、仕事が生活を築くよりも破壊する可能性が高いことをZ世代は目の当たりにしてきた。したがって、彼らは弱いのではなく、ただ単に普通という感覚が異なり、自分らしさを大切にしているだけなのである。
さらにZ世代は、短時間で切り替えながら複数の作業をこなしていくマルチタスクの世界で生きている。朝は仕事、日中は不安をかき立てるニュース、夜は誰もが「成功者」に見えるSNS。そして、その合間のどこかで「自分自身」でいなければならない。しかし、こんなシステムの中で「自分らしく」いることが彼らにとっては難しい。目の前には多面的な世界が広がっており、その中で、自分は誰なのか、何を望んでいるのかを明らかにすることがZ世代にとっては重要だ。そのため、もう一度繰り返すが、彼らはすべてのことには意味があると考え、「なぜ」に対する答えを必要としているのだ。
しかし、日本社会は歴史的に忍耐や辛抱を良しとしてきた。シニア世代は「最後まで我慢」することも稀ではない(過労死の存在自体がそれを物語っている)。一方、働いている若者の間では現在、疲労や不快感を隠す傾向が弱まっている。例えば、日本のZ世代は問題があれば声を上げることが多い。職場でいじめを含めたハラスメント被害を受けた場合、78%(ミレニアル世代の2倍)が企業に申告する姿勢を見せている。
これは「黙って我慢する」という伝統的な習慣が徐々に崩れ、問題を無視するのではなく、解決策を見つけたいというZ世代の願望を示している。
燃え尽き症候群も「流行」している。燃え尽き症候群に陥った若手従業員の約2人に1人が、業務過多を理由に退職している。