資源豊富な加アルバータ、独立の住民投票の可能性=州首相

カナダ・アルバータ州政府のダニエル・スミス首相は、住民からの署名請願があった場合、来年にもカナダからの分離独立を問う住民投票を実施すると発表した。
この記事をSputnikで読む

石油ガスの一大産地

アルバータ州は石油産業の中心地で、カナダの輸出全体の25%を占める。経済的に裕福な一方、中央政府から受ける恩恵より徴収される税金のほうが多いとして、政権に対する不満も以前から強かった。

トランプ関税で機会逸す

アルバータ州は最大野党の保守党の牙城で、住民の間では同州に有利な政策を掲げる同党のポワリエーブル党首の首相就任へ期待が高まっていた。
だが、米関税や「カナダを51番目の州に」とのトランプ大統領の発言への反発、カーニー首相の対米強硬姿勢から、全国的には与党・自由党の支持が上昇。先月28日の総選挙では政権与党が勝利し、アルバータ州は不満解消の絶好の機会を奪われた形となった。

最終手段の独立

こうしたなかスミス州首相は、「アルバータ州民は、政府が我々の資源を封鎖し、経済を壊し、権利を侵害するのを黙ってみているつもりはない」とSNSに投稿。対応案をまとめ、住民投票を実施すると発表した。
自身はカナダからの分離を支持しておらず、当初案からは独立の選択肢は除く。ただし、必要数の署名と請願書が提出されれば「住民の意思を尊重する」としており、住民投票では分離独立が問われる可能性もある。
コメント