米国のジャーナリスト、フィル·バトラー氏は、このような案について、戦争で命を落としたソ連兵士の記憶に対する侮辱、そして、この戦争で生き残った米国人にとって恥辱以外の何ものでもないとの見解を表している。
バトラー氏は、歴史の書き換えや、ナチス・ドイツとの戦いで亡くなった人々の栄光を損ねることは、全く容認できないとしている。同氏は、ロサンゼルス・タイムズ紙に掲載された論文について、「私たちの世界で、何か間違っていることが起こっているのを示している」と指摘している。バトラー氏は、「米国の元外交官3人が、戦勝記念日の式典をロシアではなくウクライナで開くことを提案したと聞いた時、正直なところ、これは冗談だと思った」という。バトラー氏は、論文の中の「西側諸国のリーダーたちが、赤の広場の貴賓席に座って、最近ウクライナ東部で戦争を行った人々を仲間とするロシア軍のパレードを観覧することはできない」というフレーズに憤りを感じたという。これについてバトラー氏は、西側が、大勢の人々の奴隷化や絶滅を計画していたと思われる「千年帝国」と言われたドイツと最後まで戦った同盟国に敬意を表すことができないということだ、と指摘している。
バトラー氏は、第二次世界大戦時のロシア人の死者数は、米国人や英国人の20倍だったと言及している。数千万人のロシア人が、ナチスによる欧州征服を阻止するために戦った。バトラー氏は、「ロシア人は、数百万人の我々の両親、祖母、祖父の命を救った」と述べ、ロシア人たちが大祖国戦争と呼ぶ第二次世界大戦のモスクワでの戦勝記念式典を、地球上に住む一人一人が尊重するべきだと指摘している。
命を落とした数千万人の兵士たちの記憶を厚顔無恥な嘘で中傷する行為は、恥知らずなことだ。その意味でバトラー氏は、3人の元駐ウクライナ米国大使たちについて、「教養がないのか、あるいは気が狂っているのか、または誰かの利益で動いている」と考えている。バトラー氏は、現在のロシアそしてロシアの外国政策を実施する方法について、様々な見方があっても構わないが、世界が間違って認識したり、実際にあった事実を忘れたり、5月9日に求められる感謝や敬意を表さなくなるようなことがあってはならない、と締めくくっている。
ロシアのラヴロフ外相は、モスクワで5月9日に開かれる戦勝70周年記念の式典に、ロシアが国や政府、複数の国際機関の代表者68人を招待し、すでに約30人から出席の返事が届いたことを明らかにした。ラヴロフ外相は、「それはCISやBRICSのほぼ全てのロシアのパートナー国、ベトナム、モンゴル、欧州の一連の国々、セルビア、モンテネグロ、マケドニアなどのバルカン諸国、またスロバキア、ギリシャ、キプロスなどだ」と発表した。ラヴロフ外相は、式典が高いレベルで開催されるとの確信を表明した。