バレエ・フェスティバル、最上のものだけを

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22日、サンクト・ペテルブルグで第15回国際バレエフェスティバル「マリインスキー」が終了した。ペテルブルグ一有名なマリインスキーの舞台では10日間にわたって、新作バレエからすでによく知られる演目まで、子ども向け、大人向け、またロシアのクラシックバレエを高く評価する人にもヨーロッパの現代舞踊を好むという人にも興味深い演目が次から次へと交代でかけられた。というのも、このフェスティバルの意義はまさに、様々な興味深いものを一度に公開することにあるからだ。

伝統にのっとり初日は初演で幕が開けられた。初演に選ばれた演目は子どものためのおとぎの世界のバレエ。「バンビ」とその続編の「ジャングルで」。リブレットはマリインスキーで監督、演出、舞台衣装を手がけるアンナ・マチソンが書いた。アンナ・マチソンは数年前にこのマリインスキー劇場で有名なリムスキー=コルサコフのオペラ「金鶏」の新たな演出を手がけて、デビューしたばかり。子鹿の感動的で教訓的な話をマチソンは目に鮮やかに深く記憶に残る舞台に作り上げた。

目覚しい色のコスチューム、きびきびとしたアクセント。これは子どもの観客が善玉、悪玉をはっきり見分けるために用いられている。作曲ハアンドレイ・ゴローヴィンとアレクサンドル・ロクシンによる。「金鶏」の振り付けを担当したマリインスキー劇場のソリストのアントン・ピモノフ氏はここでは音楽も少なからぬ重要な役割を演じたとの考えを示し、次のように語っている。

「 …音楽はすばらしい。初めて聞いたとき、すぐにこれに乗せて踊るととてもいいだろうなぁ、一風変わったものを考え出せるだろうなぁと思った。この舞台は善と慈悲をテーマにしたもので、これが動物どうしの関係に現れているのだが、これは人間にも何かを教えてくれるものなのだ。」

指揮を務めたのはマリインスキー劇場の芸術監督、ヴァレリー・ゲルギエフ。これが初演の地位をぐんと引き上げた。また大人向けのクラシック・バレエ、「ドン・キホーテ」、「バヤデルカ」、「ジゼル」、「白鳥の湖」、「眠れる森の美女」ではマリインスキー劇場のソリストたち、パリオペラ座、オランダ・バレーの客演スターらがそれぞれの見事な技を披露した。このことは、マリインスキー劇場が今までと変わらず、外国のダンサーらから十分に注目を浴びていることを示している。そしてこのことは、あらゆることを加味して、今後も変わらないだろうと思われる。たとえばマリインスキー劇場ではロンドンの「コヴェント・ガーデン」バレエの「不思議の国のアリス」がかけられることになっている。これは有名な振り付け師クリストファー・ウィルドンが手がけた作品だ。またコラボレーションもすでに始まっている。マリインスキー劇場バレエのユーリー・ファテーエフ執行役は、このプロジェクトはどんな国際問題が起きていようが誰にも何にも邪魔されることは無いとの確信を表し、次のように語っている。

「なんらかの政治問題がわれわれの協力を阻害するなど、考えたくもない。われわれはつい先日、米国での長い公演を終えて帰国したばかりだが、ニューヨーク、ワシントンをまわってきたし、カーネギーホールなど、もう15年以上もの協力関係がある。米国には毎年いっており、今回もいつもどおり大成功を収めた。これは観客、プレス両方の評価のことを言っているのだが、この二つの評価は対露関係を考えれば、本来は異なってもおかしくない。いい反応が寄せられたのは観客席だけでない。インターネット上の反応もかなり難癖をつける批評家も非常にポジティブな反応を見せてくれた。それにこれは私も写真に撮ったが、私たちの広告のすべてに『全席売り切れ』と書かれた文字が躍っていた。」

第1回国際バレエフェスティバル「マリインスキー」は終了した。だがこれにすぐに続いて今度はモスクワのクレムリン大宮殿でのチャイコフスキー生誕175年を記念したバレエフェスティバルが4月6日にも開幕する。バレエ・ファンたちは感動しきりだ。なぜならまさにこれこそ、バレエフェスティバル開催の意義である、様々な興味深いものを一気に公開する真髄があるからだ。

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