4月に予定されている訪米に合わせて交渉を急ぐ気はない、と首相。「交渉は大詰めの段階にあるが、なお未解決の課題もある。私がいま米国に発とうとしているからといって不必要な妥協を行ういわれはない」。また「国益を守る。必要とあらば攻め、また必要とあらば守る」と首相。
TPP問題は日本にとって極めて重要な問題である。大企業は、将来性のある市場により自由に参入することを求め、TPP加盟に積極的である。一方、農業部門が強硬な反対姿勢を示している。自由化されれば、特に米国や豪州の農産品の流入に太刀打ちできない、というのである。そこで日本政府は米国との交渉で、米その他の穀物、乳製品、牛肉・豚肉への関税を存置する権利を主張している。一方の米国も、日本の工業製品の輸入を、一時的にでも制限したいと考えている。