遺伝子組み換え食品は米国など巨大な食品市場で既に支配的地位を確立している。米国ではトウモロコシの85%ならびに大豆の90%が遺伝子加工品種である。WTO加入により、ロシアの市場でも遺伝子組み換え食品が氾濫する恐れがある。
「我々には、品質の劣悪な、または、劣悪と言わないまでも、それを食べることでどのような影響が出るか分からないような食品から、市場と国民を守るための合法的方法と手段がある」とは、2014年3月のプーチン大統領の発言である。
ロシア政府は2017年までを猶予期間としており、遺伝子組み換え食品の輸入は今のところ制限されている。議会下院では遺伝子加工をともなう食品の製造禁止・輸入管理に関する法案の第二読会が行われている。
伝統農法を守るロシアの農業部門も、ゲノム加工で20%程度の増産が見込める、としている。しかしロシアの4000万ヘクタールもの耕作地は、エコロジーの観点からクリーンな食品を製造し、自国のみか外国の需要をも満たすのに十分である。