「ボアオ・アジア・フォーラム」では、シルクロード経済ベルト構想の陸路および海路の「ロードマップ」の発表が大きな関心を集めた。この大規模プロジェクトを実現するためには、鉄道や自動車道、新たな工業団地や発電所の建設、情報技術の構築などが必要となる。
シルクロード経済ベルトの財政基盤となるのは、アジア・インフラ投資銀行(AIIB)だ。中国が主導するこの新たな国際金融機関は、アジア版国際通貨基金(IMF)ならびに世界銀行として2014年に設立された。
米国の反対にもかかわらず、アジア太平洋地域の中国のパートナー国だけでなく、欧州の大多数の国々もAIIBへの加盟を表明した。最近ロシアと韓国もALLBへの加盟を決定したことが報じられた。
米国はAIIBの設立を中国側からの新たな挑戦であると考えている。米国のあらゆる努力にもかかわらず、米国の近しい同盟国である韓国までもが、米国の意見を無視した。これは韓米関係にどのように反映されるのだろうか?韓国のアサン政策研究所のアン・ソンギュ責任者は、次のように語っている。
「米国は韓国のAIIBへの参加決定にネガティブな反応を示しているが、特段の問題は一切生じないと思われる。米国は中国が地域で台頭することを懸念している。なぜならALLBは、中国のイニシアチブで設立され、すでに形成された国際金融秩序に『挑戦状』をつきつけているからだ。米国のネガティブな態度が理由となり、韓国がALLBへの参加決定の発表を控えていたのは明らかだ。中国のイニシアチブによって設立されたALLBは、経済面において韓国にポジティブな影響を与えるのは明らかだ。現在すでに29カ国がAIIBへ加盟し、35カ国が加盟の意向を表している。このような状況で、韓国の決定を米国が批判するのは難しいだろう。」
ソンギュ氏によると、最近アサン政策研究所が実施した世論調査では、大多数の韓国人が、韓国は中国との経済協力を目指しながら、米国とは安全保障問題を解決していると考えていることが明らかとなった。