ブルームバーグは、リッチモンド大学で製造物責任法を教えるカール・トビアス氏が、武田薬品工業の提案について、「武田がこれ以上の巨額賠償命令を回避するために和解を真に強く望んでいることを示している」と指摘し、「しかし1件当たりの支払額を見ると、和解のために妥当な水準以上の額を支払うことは望んでいないようだ」と語った、と報じている。
またブルームバーグは関係者の情報として、「武田薬品工業は、米国の連邦および州裁判所で起こされている8000件以上の訴訟について和解を提案した」と伝えた。これは、「1件当たり約27万5000ドルに相当する」という。ブルームバーグは、合意に達した場合、「医薬品や医療機器をめぐる米国での訴訟で過去最大級の和解額となる」と指摘している。
2014年、ルイジアナ州の米連邦裁判所は、武田薬品工業と米国のイーライリリー・アンド・カンパニーに、「アクトス」の服用後にぼうこう癌を発症したとする商店主に対して計90億ドルの賠償金の支払いを命じる判決を下した。