「終了した!欧州からオーストラリアまで、利害関係を持つ全ての国がこの日を待っていた。長期にわたる交渉プロセスは12年間続いた。しかし本質的に現実的な結果が現れ始めたのは、ジュネーブ合意『共同行動計画』に署名がなされた2013年11月24日からだった。これはイランの核問題の最終的な解決と、世界政治の議題からイランの核問題を外すことに関する包括的合意への道が記されたロードマップだった。その時から長期にわたる協議の最終段階が始まった。そして今回、最近10年間の協議で達成できなかったことについて合意に達した。」
サジン氏によると、各国は自国の立場を尊厳をもって擁護しながら、必要不可欠な妥協に達した。ここでは特にイランのロウハニ大統領の役割を指摘する必要がある。ロウハウニ大統領はイランの国益に立脚しながら、核交渉を袋小路に追い込みイランを戦争と経済危機の瀬戸際に立たせた前大統領の政治方針を方向転換させ、イランを勝利のゴールへ導くことができた。
4月2日の「枠組み」合意は、最終合意に向けて極めて需要、かつ必要不可欠なステップだ。7カ国の外相は共同合意に達し、6月30日が期限とされている最終合意のための政治的基盤を築いた。ローザンヌ合意は最終的な文書ではない。しかしこの合意のおかげで議論のあるたくさんの問題が取り除かれた。合意によると、準備されている合意の有効期間は10年間。この10年間にわたってイランのウラン濃縮能力の3分の2が停止される。またイランは遠心分離機の数を1万9000基から6000基に削減する。核施設の活動目的が変更される。そしてイランは15年にわたって3.67パーセント以上のウラン濃縮を行わない。またイランには、使用済み核燃料の再処理に関する研究を行わないことが義務付けられる。また核プログラムに関する合意では、イランに分裂性物質の何らかの備蓄が存在してはならないとされている。イランのウラン備蓄の大部分は、希釈あるいは国外へ搬出される。またイランは、今後15年間にわたって新たなウラン濃縮施設を建設せず、「余分」な遠心分離機と濃縮設備は、国際原子力機関(IAEA)の管理下に移されることでも合意した。もちろん、これら全ての大規模な措置は、IAEAの厳格なコントロール下で行われる。
重要な問題の一つに、対イラン制裁の解除があった。EUのモゲリーニ外務・安全保障政策上級代表は、「EUは、核と関連した全ての経済および金融制裁を一時停止する」と発表した。ロシアの外交官たちは、イランが地域の問題や紛争の解決により積極的に参加することができるようになるなどのことから、イランの核問題に関する決定は、中東の安全保障分野における全体的な情勢に肯定的な影響を与えると考えている。また核不拡散体制も間違いなく強化されるだろう。