8日、まず東京でカーター長官は中谷防衛相と会談、9日ソウルに向け出発する。長官は、日本及び韓国との防衛協力の拡大と強化は、アジア太平洋地域のみならず世界の他の地域の安定にも寄与すると主張している。しかし、それが、日本と韓国の米国への依存強化にもつながり、米国政府に日韓両政府にさらに圧力を加え、国際舞台での行動ルールを押し付けるチャンスを与えるだろうことは明白だ。
すでに現在も米国は、 東アジアの自分の同盟国の政策に積極的に介入している。
現在日本で人気のあるブロガーの1人で、ロシア特命全権公使、在ウズベクスタン兼タジキスタン大使を務めた経験を持つ河東哲夫(アキオ)氏は「日本は、対ロシア制裁を受入れざるを得なかった。なぜなら米国がそれを求めたからだ」と認めている。河東氏は「日本は米国の言う事を聞かないわけにはいかない。なぜなら米国は、今のところ単独で自らを守る事が出来ない日本の安全を保障しているからだ。まして日本の防衛能力向上には厳しい限界がある」とし、特に次のように述べた―「日本は核大国になることはできない。それ以外に、現在日本は、米国との同盟の中で、中国の脅威からいかに自分を守るべきかと考えている。ただ日本がもしあまりに自主的になっていった場合、米国の言う事を聞くのをやめるだろうが、そうなれば日本は、米国からも我が身を守らなければならなくなり、日本がそうした重荷を負う事は明らかにないだろう。しかし日本は、当然ながら、米国の圧力があっても、自国の利益を守ろうと努めている。」
概ねこのように述べた河東氏は、さらにウクライナ情勢に触れ、次のように続けた―
「ウクライナ情勢のために日本はロシアに対して制裁措置をとったが、これまでに日本企業がロシアで作った工場は普通に操業している。 一部の自動車企業は需要が落ちたため、操業を一時停止したが、全体としてロシアにおける日本企業の活動は続いてきた。それからシベリアからの石油、サハリンからの天然ガスの輸入はこれまでどおり続いており、日本の需要の大きな部分を担っている。このように経済関係におけるよい土台は保たれているわけだ。これ以上よくしようと思えば、ロシアがウクライナ情勢を解決の方向にもっていくことが第1で、それを無視して日本がロシアとの協力を強化するのは難しいと思う。」
一方韓国も、よい状態にはない。韓国は、北との関係を悪化させ、自身、朝鮮民主主義人民共和国の側からの脅威に怯え、米国の軍事力に頼らざるを得ず、その代償として、米国の指示を遂行せざるを得ない。米国のある機関の職員が匿名を条件に「スプートニク」特派員に述べたところでは、ワシントンで彼は「米国が一連の韓国企業を制裁すると脅し、米国の圧力のもとロシア市場を去った日本企業の後に入り込もうとの彼らの考えを捨てさせたこと」を元官僚が認めたと暴露した。